今までデスクトップパソコンやノートパソコン、ワークステーションやタワー型サーバーなど様々なPCを分解してハードディスクからSSDに交換してきました。
種類が多い2.5インチSATA SSDですが、容量の選び方、おすすめのメーカーについて紹介したいと思います。
SSDって何?というかたはこちらの記事を読んでみてください
おすすめのSSDメーカー
ストレージの大手メーカーや聞いたことのない中国っぽいメーカーなど種類も多いため、競争が激しく価格も安くなってきています。
おすすめの理由
この記事でおすすめしているSSDの理由については
書き込み、読み込み速度がバランスよく高速
コスパが良い・購入しやすい
メーカーの管理ツール・クローン作成ツールが優秀
書き込み、読み込み速度がバランスよく高速

メモリ製品ではおなじみの仕様ですが読込速度が速くても書込速度が遅い製品もあります。
読み書きどちらもSATA3(6Gbps)の上限に近い500MB/s前後の速さで動作するものを選定しています
コスパが良い・購入しやすい

商品が良くても高すぎるとコスパが悪くなり、当然購入のハードルがあがります。
価格も平均的でAmazonや楽天などでも取り扱いのある購入しやすい商品を選定しています。
メーカーの管理ツール・クローン作成ツールが優秀

Crystal Disk InfoやTxBENCHなどのフリーソフトを組み合わせてSSDの状態管理やSecureErase(消去)ができますが、メーカーの管理ツール(ソフト)で寿命や状態などを管理できるSSDに限定しました。
SSDメーカーでクローン作成ソフト(ディスクコピーソフト)を提供している良心的なメーカーもあり、合わせて解説したいと思います。
Silicon Power(シリコンパワー) Ace A55シリーズ

項目 | 判定 |
---|---|
書込み速度 | ◎ |
読取り速度 | ◎(512GB以上) |
管理ツールの提供 | 〇 |
クローン作成ツールの提供 | ×(なし) |
保証 | 〇(3年) |
シリコンパワーのAce A55シリーズはカタログスペック上では512GB以上のモデルのみ500MB/sの書込み速度となっており他社と比べても同等に速いですが、128GBや256GBでは書込み速度が遅くなっていてあまりおすすめしません。おすすめは512GB以上のモデルです。
管理ツールは「SP Toolbox」が提供されていて画面回りも見やすく、WIndows7やWindows 8.1、Windows10に対応しています。

公式サイトは↓から

Crucial(クルーシャル) MX500シリーズ

項目 | 判定 |
---|---|
書込み速度 | ◎ |
読取り速度 | ◎ |
管理ツールの提供 | 〇 |
クローン作成ツールの提供 | ◎ |
保証 | ◎(5年) |
2.5インチSSDではMX500、BX500シリーズがありますが、性能や寿命、耐久性に違いがあり、今回は書込み速度がより高速で保証も長いMX500シリーズをおすすめします。
MX500のレビュー・ベンチマークはこちらから
管理ツールは「Storage Executive」が提供されており、64ビット版のWindowsにしか対応していませんが、他社のツールと同様に無料でサニタイズやファームウェアの更新などが可能です。

クローン作成ソフトとして「Acronis TrueImage For Crucial」が使用できます。

Acronis TrueImage For WesternDigitalやSeagate Disk Wizardと同様に非常に優秀なソフトで、ディスクのクローン作成だけでなく、インストールしてスケジュールバックアップソフトとしても利用できます。
For Crucialも機能限定版のようですが、この無料版だけでも使いこなせばかなり便利です。
Western Digital WD Blueシリーズ

項目 | 判定 |
---|---|
書込み速度 | ◎ |
読取り速度 | ◎ |
管理ツールの提供 | 〇 |
クローン作成ツールの提供 | ◎ |
保証 | ◎(5年) |
WD Blueは250GB~4TBまでのラインナップがあり、どの容量でもシーケンシャル読取り速度は最大で560MB/s、シーケンシャル書込み速度は最大530MB/sと高性能です。寿命(5年保証)と長いので長く安心して使いたい場合にもおすすめです。Acronis TrueImage For WesternDigitalと組み合わせればかなり安心して使用できるコスパの高いSSDです。
管理ツールは「Western Digital SSDダッシュボード」が提供されています
Windows 8.1とWindows10で32ビット、64ビット両方対応しています


クローン作成ソフトとして「Acronis TrueImage For WesternDigital」が使用できます。
Acronis TrueImage For CrucialやSeagate Disk Wizardと同様に非常に優秀なソフトで、ディスクのクローン作成だけでなく、インストールしてスケジュールバックアップソフトとしても利用できます。
For WesternDigitalも機能限定版のようですが、この無料版だけでも使いこなせばかなり便利です。

Western Disital社が買収したSanDiskブランドのSSDでもAcronis TrueImage For Western Digitalを使用できるので、WDとSandiskで悩んだら安い方で問題ないと思います。

サンディスクのSSDはSanDisk SSD Dashboardを使用してSSDのメンテナンスができます。
Samsung(サムスン) 870 EVO、QVOシリーズ

項目 | 判定 |
---|---|
書込み速度 | ◎(EVOは2.5インチ最速クラス) |
読取り速度 | ◎(EVOは2.5インチ最速クラス) |
管理ツールの提供 | 〇 |
クローン作成ツールの提供 | 〇 |
保証 | EVOシリーズ・・・◎5年 QVOシリーズ・・・〇3年 |
パソコンヘビーユーザであれば高性能、高信頼性のEVO、1TB以上であれば値段次第ではQVOシリーズもおすすめです。
Samsung 870EVOのレビューについてはこちらから
管理ツールとして評価の高い純正ソフト「Samsung Magician」を使用できます

SSDの寿命管理やベンチマークだけでなく、パフォーマンスの最適化の機能もありパソコン初心者でもSSDの性能をフル活用できます。

SamsungのSSDにハードディスクのデータをクローンコピーする場合、「Samsung Data Migration」を使用できます。一般的なフリーソフトに比べて簡単に操作ができるのでSamsungのSSDを選択するメリットの一つとも思えます。
Seagate(シーゲート) Barracuda 120シリーズ

項目 | 判定 |
---|---|
書込み速度 | ◎ |
読取り速度 | ◎(2.5インチ最速クラス) |
管理ツールの提供 | 〇 |
クローン作成ツールの提供 | ◎ |
保証 | ◎(5年) |
ラインナップは250GBから2TBまであり、パフォーマンスでの違いはないようです。保証期間もすべて5年間あります。
Barracuda 120 SSD | 250GB | 500GB | 1TB | 2TB |
---|---|---|---|---|
NANDフラッシュメモリ | 3D TLC | 3D TLC | 3D TLC | 3D TLC |
最大シーケンシャル読取り | 560MB/s | 560MB/s | 560MB/s | 560MB/s |
最大シーケンシャル書込み | 540MB/s | 540MB/s | 540MB/s | 540MB/s |
最大ランダム読取り | 90,000IOPS | 90,000IOPS | 90,000IOPS | 90,000IOPS |
最大ランダム書込み | 90,000IOPS | 90,000IOPS | 90,000IOPS | 90,000IOPS |
TBW | 150 | 300 | 600 | 1170 |
平均故障間隔(MTBF) | 1,800,000時間 | 1,800,000時間 | 1,800,000時間 | 1,800,000時間 |
個人的にも購入して使用しているSSDで実際に修理・換装するときも良く使用しています。
値段、性能、管理メンテナンス性どれを考慮してもほぼ弱点なしです
メーカー推奨ツール「SeaTools SSD GUI」や「Seagate Disk Wizard」と組み合わせて運用やクローン作成ができるので、実用面でもかなりコスパが高い製品です。

詳しいレビューやベンチマークについてはこちらで解説しています。
KIOXIA(キオクシア)

項目 | 判定 |
---|---|
書込み速度 | ◎ |
読取り速度 | ◎ |
管理ツールの提供 | 〇 |
クローン作成ツールの提供 | なし |
保証 | 〇(3年) |
一般個人向けに発売されたばかりのKIOXIA EXCERIA SATA SSDはBUFFALOが販売、サポートも行っているのでサポート体制は安心です。
SSDの管理、メンテナンスは「SSD Utility」で行えます。

KIOXIA SSD Utilityの使い方についてはこちらから
ハードディスクの環境をそのままSSDに移行したい場合、キオクシアやバッファローではクローン作成ソフトの提供はしていないようなので、必要な場合はフリーソフトなどでクローンを作成する必要があります。
実機でのベンチマーク比較
Core i7 4770搭載機 SATA3.0ポートに実際にSSDを接続してベンチマークを行ってみました。
違いはSSDのみの環境なのである程度、参考になる数値だと思います。
SSDの詳細なベンチマーク結果については各ページを参考にしてみてください。
ATTO Disk Benchmark 読込速度比較
512B(バイト)から2KBまではWD Blueのもたつきが気になりますが、64KBを超えてくるとほぼSATA6Gbpsの上限値に張り付いてるイメージです。
Windowsの起動やゲームやアプリケーションの起動など通常の使い方であれば読込速度は大差がないと思っても良いかもしれません。

ATTO Disk Benchmark 書込速度比較
2KB以下のファイルサイズでやはりWDBuleがもたついてしまっています。
64KB付近で各SSDの書込み速度が最大値に近づいていますが、読込速度とは違って性能差がはっきりと表れています。
安定しているのがSamsung 870EVO、少し安定感がないけど、かなり高速なのがSeagate、WD Blueといったイメージでしょうか。

容量別のおすすめ機種

大前提としてハードディスクからSSDへクローンを作成する場合、実際使用している容量を確認して同じ容量か予算に余裕があればそれ以上の容量をおすすめします。

容量の選び方は好みです!と言ってしまえば終わりですが、容量を大幅に持て余して高いSSDを買ってももったいないので、今使用しているパソコンに入っているハードディスクの容量と実際使っている容量で比較して必要な容量+余裕ぐらいの容量が個人的にはおすすめです。
パソコンを長く使いたい場合は実際に使っている容量の2倍ぐらいあったほうが容量不足に悩む時間も減るのでおすすめです。
オフィスなどの事務仕事・ネットサーフィン中心・ライトユーザー向け

Windows10で使用する場合、120GBが最低限、コスパ的に240GB以上はおすすめします
120GBはWindows10で長くパソコンを使おうと思うと最低限必要な容量ですが、ソフトを大量にインストールしていなくてもWindows UpdateやWindowsアップグレードで「気づいたら空き容量がなくなっていた」というケースを見かけます。
性能の高いSamsungの860EVOやSeagate Barracuda SSD120、Crucial MX500、KIOXIA EXCERIA SATAなどは240GB~のラインナップとなっていて、性能をフル活用するのであれば240GB以上をおすすめします。

容量あたりの単価は120GBクラスでは25円前後250GBクラスでは20円以下が多いです。耐久性でも240GB以上の方が長寿命です。
250GBクラスでは大量の写真や動画などを保存する余裕があまりないケースが多いので必要に応じて外付けHDDやNASに保存することをおすすめします
250GBクラスのおすすめSSD
読取り速度は紹介したシリーズでは大差はないですが、書込み速度にバラつきがあります。書込み速度はカタログ数値ではSamsung、Seagate、WD、KIOXIAが横並びと思って良いと思います。

カタログPDFやホームページに記載している数値を抽出しています。メーカーにより測定条件や表現が違うので正確な比較とはならないかもしれません。あくまでも参考としてください。正確な情報はメーカーサイトを確認してください。
続いて耐久性の目安でもあるTBWについての比較です。ライトユーザであれば使いきれるのかという問題もありますが、耐久性を重視するのであればSamsung、Seagateが横並びで、シリコンパワーが健闘しているイメージです。

250GBクラスの結論としては高性能で定番のSamsung EVO870、Seagate Barracuda 120を選んでおけば間違いはなさそうです。性能重視ならキオクシア、耐久性重視ならシリコンパワーA55も値段次第ではありだと思います。
ライトゲーマーやハードディスクも併せて使う場合

ライトゲーマーや大容量ファイルはハードディスクに保管するという方であれば目安としては480GB以上あれば大丈夫な人が多いです。(ケースバイケースですが・・・)
重めのゲームやYoutubeなどの動画編集したファイルの一時保存場所としてパソコンに保存する場合でも問題になることは少ないと思います。
容量の小さい256GBなどのSSDと比較しても長寿命になるのでパソコンを長く使いたい方にもおすすめの容量です。
ただし、複数のゲームや家族写真や撮影した動画などを保存している場合はいつの間にか容量を圧迫してしまう可能性があるので1TBのSSDや必要に応じて外付けHDDやNASに保存することをおすすめします
500GBクラスのおすすめSSD
読取り速度は紹介したシリーズでは大差はないですが、書込み速度にバラつきがあります。書込み速度はカタログ数値ではSamsung、Seagate、WD、KIOXIA、シリコンパワーが横並びと思って良いと思います。

カタログPDFやホームページに記載している数値を抽出しています。メーカーにより測定条件や表現が違うので正確な比較とはならないかもしれません。あくまでも参考としてください。正確な情報はメーカーサイトを確認してください。
続いて耐久性の目安でもあるTBWの比較です。250GBクラスと同様にSamsung、Seagateの数値が高く、続いてシリコンパワーが健闘している感じです。

500GBクラスの結論としても高性能で定番のSamsung EVO870、Seagate Barracuda 120を選んでおけば間違いはなさそうです。シリコンパワーA55もカタログスペックではかなり健闘しているので値段次第ではありだと思います。シリコンパワーA55のレビューについては別記事を参考にしてください。
あとは性能重視であればキオクシアやWesternDigital Blueも値段次第ではありだと思います。
SSDだけで全て運用したい

ガッツリ動画編集やデザイン系のソフトを使用したり、複数のゲームをインストールする場合目安として960GB以上をおすすめします。最近では4TBクラスの大容量のSSDもあり、ハードディスクなしでデータを全てSSDに保存することも夢ではなさそうです。(バックアップは忘れずに)
1TBクラスのおすすめSATA SSD
1TBクラスでも読取り速度は紹介したシリーズでは大差はないですが、ここでも書込み速度にバラつきがあります。書込み速度はカタログ数値ではSamsung EVO870、QVO870、Seagate、WD、KIOXIA、シリコンパワーが横並びと思って良いと思います。Crucial MX500シリーズは書込み速度が他社より少し劣ります。

カタログPDFやホームページに記載している数値を抽出しています。メーカーにより測定条件や表現が違うので正確な比較とはならないかもしれません。あくまでも参考としてください。正確な情報はメーカーサイトを確認してください。
続いて耐久性の目安でもあるTBWの比較です。250GBクラス、500GBクラスと同様にSamsung、Seagateの数値が高く、続いてシリコンパワーが検討している感じです。

1TBクラスの結論としても高性能で定番のSamsung EVO870、Seagate Barracuda 120を選んでおけば間違いはなさそうです。シリコンパワーA55もカタログスペックではかなり健闘しているので値段次第ではありだと思います。シリコンパワーA55のレビューについては別記事を参考にしてください。
値段と性能重視であればSamsung 870QVOやWestern Digital Blueあたりもおすすめできます。メーカーツールや保証期間を考慮すればWesternDigital Blueが一歩リードといった感じでしょうか。960GBのキオクシアのSSDは他の同容量のSSDと比較してTBWがかなり低く、あまりおすすめはできないです。
最後に2TBのものを比較します。書込み速度、読取り速度共に1TBのSSDと同じだったので省略します。TBWだけで判断するとしても1TBのものと変わりません。

2TBクラスの結論としても高性能で定番のSamsung EVO870、Seagate Barracuda 120を選んでおけば間違いはなさそうです。
まとめ
SSDの容量による選び方やおすすめのメーカーについて解説してみました。
項目 | Silicon Power Ace A55 | Crucial MX500 | Western Digital WD BLUE | Samsung 870Evo 870QVO | Seagate Barracuda 120 | キオクシア |
---|---|---|---|---|---|---|
書込み速度 | ◎ | ◎ | ◎ | ◎ | ◎ | ◎ |
読取り速度 | ◎(512GB以上) | ◎ | ◎ | ◎ | ◎ | ◎ |
管理ツールの提供 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
クローン作成ツールの提供 | なし | ◎ | ◎ | 〇 | ◎ | なし |
保証 | 〇(3年) | ◎(5年) | ◎(5年) | ◎(5年) | ◎(5年) | 〇(3年) |
おすすめの容量 | 512GB以上 | 1TB | 500GB | 870Evo:全ての容量 | 全ての容量 | 240GB/ 480GB/960GB |
数年前のパソコンでもハードディスクからSSDに交換するだけでもかなりパソコンが高速化するのでSSDの交換はおすすめのアップグレード方法の一つです。
性能面や耐久性だけでみればSamsung Evo870やSeagate Barrcuda120が優勢ですが、メーカー提供ソフトなどを含めた総合的な評価をすればCrucial MX500、WesternDigital WD BLUE、そして最強コスパはSeagateかなと思います。
フリーソフトでパソコンのハードディスクをSSDに交換する方法についてはこちらで解説していますので、メーカー提供ツールをあてにしない場合は参考にしてみてください。
コメント
●お詫び
先程『何故、SanDisk ブランドが含まれて居ないのか?』と言う質問をした者ですが、最後の方のコメントを見て、Western Digital が買収した事を知りましたので、私の質問は無視して下さい。
●お礼
この記事の中でNECのVJ25と言ったノートPCのドライブを取り出した写真が有り、M.2がC:ドライブになって居る最新のPCに、私が拘って来た、『ドライブが短時間で取り出せる構造のPCが有る』と言う事を知って希望が出て来ました。
C:はM.2、物理的に独立した D: ドライブが大容量の SATA DRIVE と言う組み合わせは理想の構造で、こう言うセットを探して居たので、嬉しくなった所です。
即ち、今回のSSD特集から複数の広いものを致しました。
有り難うございました。
Best regards,
物部文直