累計で100台以上のNASやサーバーの運用や設置に関わってきました。今までの経験を元に法人向けのNASで有名なBUFFALO Terastationのメリットと選び方について解説したいと思います。
デスクトップ型(据置型)に絞って解説しますのでラックマウント型については省略させていただきますw
Terastationを選ぶメリット
Linkstation(家庭用NAS)より壊れにくい。
同時アクセスに強い。
バックアップの機能が豊富。
設定が簡単。管理や監視機能も充実。
次世代のネットワークにも対応。
Linkstation(家庭用NAS)より壊れにくい

TerastationではNAS専用のハードディスクを使用しているのでLinkstationなどの家庭用NASよりも故障率が全然違います
現場でよく故障しているのは家庭用のNASや7年~10年ぐらい動き続けているサーバーが多いです
熱がちゃんと逃げるよう設計もされているのでそのあたりも壊れにくい1つの要素になっています。

使用しているハードディスクもサーバー・NAS用の専用品を使用しているのでハードディスク単体で見ても故障率の低い製品を使用しています。
同時アクセスに強い
家庭用のLinkstationでは10人(10台)前後以下を想定されていますが
Terastationでは50人以下、100人以下の同時使用を想定しています
モデルによってはネットワークが10GBase-Tに対応していたりCPUもLinkstationより高性能の物を使用しています
バックアップの機能が豊富
Linkstationもバックアップの機能がありますが、TerastationでもUSBや他のTerastationやLinkstationにバックアップを行えます。
またUSBへの履歴管理バックアップはTerastationにのみ搭載されている機能なのでシャドウコピーやスナップショットを使用できないシリーズでは重要度の高い機能です。
Linkstationと同様にUSBやネットワーク経由の差分、増分のバックアップができる
USBに履歴管理バックアップができる(バックアップの上書き対策)
他のBUFFALOのNASへリアルタイムのバックアップ(レプリケーション)ができる
NAS本体の設定をバックアップもできる

バックアップやレプリケーションの状態をキキNaviやメールで確認できるので安心ですね
設定がかんたん・管理や監視機能も充実
LinuxOSのTerastationでは設定を全てWebブラウザで行うので、特にソフトやツールなどのインストールは不要です(できません)
NASを運用する専門知識などもWindowsServerよりは必要ないです

職場のLAN内であればBUFFALOの管理ツールでBUFFALOのアクセスポイントやスイッチとTerastationをまとめて監視できるのも便利です
キキNaviでリモートで管理できるので社内SEなどNASを管理する担当者が職場のTerastationを自宅からも管理できるのも大きなメリットです

次世代のネットワークにも対応

今までLANのネットワークでは1000BASE-Tが主流でしたが
TS3000シリーズ以外では10GBASE-Tに対応しており、次世代のネットワークにも対応しています。
人数の多い企業や官公庁だけでなく教育機関(小中高校)でもファイルサーバとして活用できます。

デスクトップ型のTerastationは主に4種類
ビジネス用途のTerastationですが、大きく4つに分類できると思っています
スナップショット(SS)に対応している
SSには対応していないがRAID6を構成できる
最低限のRAIDを構成できる
Windows Server を搭載している
スナップショット(SS)に対応している
TS6000シリーズ

TS6で始まる型番で始まるTerastationでは
スナップショット機能を設定することで
間違えて消してしまったファイルや上書きしたファイルを
わざわざバックアップフォルダで探す必要がなくなります

対象のフォルダやファイルを右クリックして
「プロパティ」をひらき
「以前のバージョン」から復元できます
各パソコンで復元できるので
サーバー管理者の負担が減りますね
SSには対応していないがRAID6を構成できる
いままでは一番ベーシックな法人用LinuxNASでした
スナップショット機能が不要であれば十分なNASです
TS3420シリーズはRAID6を構成できるTerastationの中で最安
TS5000シリーズでは液晶でNASの状態を確認できる
TS5810シリーズでは最大64TBまで構成
TS3000シリーズ

50人以下の同時利用を想定
LANポートが2つ(分離されたネットワーク間での共有も可能)
液晶ディスプレイがない
スナップショット機能がない
TS5000シリーズ

50人以上の同時利用を想定
液晶ディスプレイを搭載
CPUがTS3000モデルより高性能
10GBase-Tに対応
LANポートが3つ(分離されたネットワーク間での共有も可能)
スナップショット機能がない
WSシリーズ(Windows Server を搭載している)
Windows ServerでActive Directory(AD)ドメインを構築している環境にNASを導入するのであれば一番スムーズなのがWSシリーズです。
WindowsのOSなのでWindowsパソコンとの相性がよい
スナップショット(シャドウコピー)が使用できる
LinuxNASのような低価格帯のモデルがない
AD環境が無い場合、Workgroupエディションではユーザー数に注意
Windows NASの特徴やメリット・デメリットについてはこちらから
まとめ
NASは比較的簡単に導入できますが、用途に合わせた機能をフル活用して、安全・安心に運用してください。
TS6000シリーズ | TS5000シリーズ | TS3000シリーズ | WSシリーズ | |
---|---|---|---|---|
想定規模 | 100人~51人 | 100人~51人 | 51人以下 | Standard 100人以上 Wordgroup 100人~51人 |
価格帯 | \128,000~\600,000 | \88,000~\828,000 | \69,000~\208,000 | \88,000~\798,000 |
容量 | 2TB~60TB | 2TB~64TB | 2TB~16TB | 2TB~48TB |
10GBase-T | ✅ | ✅ | ✅ | |
スナップショット機能 | ✅ | ✅ | ||
バックアップ機能 | ✅ | ✅ | ✅ | ✅ |
レプリケーション機能 | ✅ | ✅ | ✅ | ✅ |
メール通知機能 | ✅ | ✅ | ✅ | ✅ |
NASはインストールされているOSごとにメリット・デメリットがあります
Linux OSのメリットとデメリットはこちらで解説してます
コメント